エンジン不調ということで入庫。
なかなか症状を確認できませんでしたが、どういう時に不調になりやすいかを聞いてそのとおりやってみると、ようやく症状を再現できました。
uScopeで測定しているのは、クランクポジションセンサーの波形です。
この車両のクランクセンサーは5V電圧の電源を必要とするセンサーなので、矩形波形です。
クランクポジションセンサーが時々休んでますね。
私の知識では、クランクポジションセンサーの信号が途絶えると、即エンストすると思っていたのですが、この車両のエンジン制御プログラムは、一度エンジンがかかってしまえば、クランクのポジションが分からなくなっても、カムポジションセンサーの信号でエンストにはならないようです。
しかし、一度クランクポジションの信号が途絶えると、アイドリングが不安定になり吹け上がりもかなり悪くなります。
普通はこの測定結果からクランクポジションセンサー交換の見積もりをオーナーに連絡してしまうかもしれませんが、クランクポジションセンサーの波形が無になったから、センサーの不良という訳ではありません。
センサーへの電源供給、またはアースの不具合の可能性もあります。
しかし、uScopeで測定すれば、電源供給・アースの不具合か、センサーの不良か、波形を見れば一目瞭然ですよね。
今回の故障は、オシロスコープで測定しなければ、不良箇所を特定することはできませんでした。