「2018年モデル ベンツ W117 CLA220 エンジン始動しない」というご相談を整備工場様から頂きました。
入庫時は「バックしない」という故障だったそうで、ディーラーに相談したら「リプロしたら治るかも?」ということだったそうですが、点検しているうちに悪化してしまいエンジンが始動しなくなったそうです。
「前進は異常ないがバックしない」という症状はリプロで治るというのはよく聞く話ですが、今回は始動しないという症状です。
トランスミッションは “724.0” です。
トランスミッションのフォールトコードは、
079200 : スピードセンサー1機能障害
D40D64 : ホイールスピードシグナル妥当でない
の2つということで、どちらも “エンジン始動しない” という症状とは関係ないようです。
シフトポジションを認識できていないため始動できないのでは?と思い “シフトモジュール” のフォールトコードをお聞きしたところ、「シフトモジュールというコントロールユニットは付いていないようだ」ということで、調べたところこの車両のシフトモジュールの役目をするものは ”ステアリングコラムモジュール” という名称でした。
その ”シフトコラムモジュール” のフォールトコード
U119800 : ISM とのコミュニケーションに機能障害
ISMは付いていないトランスミッションなのになぜ ”ISMとのコミュニケーションエラー” なのか分かりませんが、やはりギアポジションが分からないためエンジンが始動できなくなっているようです。
TCUが故障しているためコラムモジュールがギアポジションを認識できない = TCUの交換が必要 と私は思ったのですが。。。。
結局、ディーラーに車両を持ち込まれたそうで「TCUのリプロで治った」とのことでした。
LAUNCH のテスターをお持ちの工場様ではなかったので、リプロを試してみることはできず、今回の症状が PAD V / PAD 7 で治せたかどうかは残念ながら未確認です。
今回の症状は、「リプロで治る」という事例を知っておかないと悩んでしまうものでした。